優しいほほえみ―馬越正八先生の童たち

皆様は、専明寺の境内にかわいいわらべ達が優しく微笑んで、皆様のお参りをおまちしていることをご存じですが?境内のそこかしこ…と言っても5ヶ所、つまり5体の石彫作品がおいてあります。これは愛媛出身の石彫家馬越正八先生のお作品です。かれこれ、30年以上前のことになりますが、住職と坊守が地元百貨店にて催されていた馬越先生の個展を訪れた際、そのお作品の愛らしさ、やさしさに一目ぼれし、境内に招くことを即決しました。当寺院を訪れる方の心を優しく迎えるかのような存在。見ていると自然とこちらまで微笑んでしまうような童たちの表情。是非境内に・・・と思ったようです。

「境内に一歩足を踏み入れたら、そこからがお荘厳」これは一昨年亡くなった英子坊守の口癖でもありました。お寺を訪れる方の心の内は様々です。そしてうれしい楽しい気持ちよりも、悲しいつらい思いを抱えた人のほうがやはり多いのが現実です。そんな方々が境内に足を踏み入れると、その方の心に何某かの新しい風をそよがせたい・・・・これは寺を預かる者のの願いでもあります。そんな願いから、馬越正八先生のかわいいわらべをそっと境内においております。どうぞ、お参りの際に、わらべたちにもお会いください。